隷の星

SF作品の二次小説のブログです。

鉄血 第三話「旅の仲間」 1

ジャーラーと、BGM。朝の陽光の中、海上を飛行しているジンネマンたちの海賊船。オルガたち、艦橋に集められている。後ろにあふれている子供たち。指をくわえていたり、遊んでいたり。
ジンネマン「北北西に進路を取れ。集合ポイントは北ロクハチハチハチだ。」
海賊団員A「あい。」
名瀬「間に合いますかね?」
ジンネマン「間に合わせる。で、おまえら。(タバコに火)これからどうするよ?ここはもう手下になるしかねえな?」
オルガ「はじめっからそのつもりで・・・。」
ジンネマン(陽気にがははと笑って)「スカウトしてやってんじゃねぇか。おまえらもおまえらの働きが役に立つってことを見せねぇと。苦労してんだろ?みなしご抱えてよ。男やもめか?」
オルガ、ふいと顔をそむけてふてくされる。
クーデリア前に進み出て両手を広げたポーズで「軍の方たちでしょうか?」
名瀬(すました顔で)「違います。手前どもは、海賊にございます。」
ジンネマン「あんたには残念だったな。武装蜂起のデモ隊連中とは、俺たちはわけが違うのよ。」
クーデリア、顔を曇らせる。クーデリア「あの機体をどうするつもりですか?私が聞いているのでは、デモ指導者のアリウム・ギョウジャン氏が必要なものだと聞いています。そこに届ける予定でした。」
ジンネマン「わりぃが、ぶんどったものは返さねぇ。それが海賊の流儀だ。」
クーデリア「そんな。」
ミカヅキ横から出て「あなたたちは、ひどい人たちですね。」
ジンネマン「ひどい?助けてもらってその言いぐさはな。」
ミカ「あなたたちの事情はどうか知りませんが、あの機体はこの人に返すべきです。」
名瀬「まあなぁ。もともとは俺たちのものだったんだし。」
ミカ「そんな話聞いていませんよ。そんなのずるすぎます。」
名瀬「はいはい。」
ジンネマン「さあさあ、向こうに行った行った。ガキどもは運航の邪魔になるから、奥の大部屋にでも移せよ。荷物置き場がいいだろう。」
ミカにらんでいる。「・・・・・・。」
オルガ「仕方ねぇ。行くか、みんな。な、ミカ?」オルガ、ミカヅキの肩に手をやるが、ミカヅキ、払いのけるようにして奥に行く。
ユージン「あーあ、行き当たりばっかりじゃねぇか。ミカが怒るのも無理ねぇよ。」
シノ「まあなあ。板子の下は海っていう今の状況じゃあなあ・・・・。」
オルガ「うっせぇ。」肩をいからせて、ポケットに両手をつっこんで奥に行く。

場面転換。荷物置き場。洗濯物などがつるしてある、生活空間。太った女性Aが子供のおしめをかえている。(アミダとは違う女性)
女性A「さあこれでいいよぉ。あんたたちも大変だねぇ。船長さんは、強引な人だからねぇ。」
クーデリア「助かります。」
アトラ「ごめんなさい、子供のおしめ替えたことないので・・・・。だからオルガってもう。」
女性A「男は自分の夢に生きているからね。女のことはぶんどっても、あとはほったらかし。そんなもんさ。」
クーデリア「はい・・・。」
女性A「あんたたちおなかすいたろう。何か作らないとねぇ。料理はできるかい?」
アトラ「あたしできまーす。クーデリアさんは?」
クーデリア「え・・・・あ・・・・あんまり・・・・・その・・・・。」
アトラ「へー、だめなんだ?」
女性A「あんたそれじゃいけないよ。あんなむさくるしい男が何人もいたら、食べさせないとだめだからね?」
クーデリア「あ・・・・あの、そういう関係じゃ・・・・・。」
女性A「ああそうなのかい?まあ来なさい。じゃ、魚をさばいてみようかねぇ。今じゃ火星にも海があるだろう?地球みたいにさ。変な魚がいっぱいいるんだよ。」
クーデリア「そうなんですか・・・・。」
女性A「あら知らないのかい?」
団員の子供「おばさーん。新しい洗濯ものここに干していい?」かごを二人で置く。山盛りの洗濯物。
女性A「待ちな。干す前によくパンパンしないとだめだよ。紐もかけないと。」立ち上がって手伝いに行く。アトラ、クーデリアに
アトラ「ねぇクーデリアさん、ここにいつまでいられると思う?」
クーデリア「そうですね・・・。私は早く降りたいのだけど。」
アトラ「なんで?もう私たちの仲間でしょ。」
クーデリア「そういうわけにはいかないんです。ごめんなさい。」
アトラ「なんでなんで?一緒にいようよー。せっかく知り合いになったのに。」
クーデリア「私もそうしたいと思っています。アトラさん、助けていただいた御恩は一生忘れません。」
アトラ「そんな、おおげさだよ~。」
その時執事が物陰から呼ぶ。「お嬢様」二人隠れるようにして。
クーデリア「・・・連絡は?」
執事「まだ入っておりません。しかしこちらの現在地はわかっているはずです。」
クーデリア「私たちが下りる場所を指定してくると思うけど。」
執事「たぶんそうですな。それまでここに潜伏するしかありませんな。」
クーデリア「そうね。」