隷の星

SF作品の二次小説のブログです。

鉄血 旅立ち 2

場面転換。火星、軍事基地。そこから離れた高台の一角。貴族風の館、だが古風なものではなくて、現代風な部分も混在する建物。母屋とはガラスの廊下でつながっている、ミニ植物園のようなクリーンルーム。中の温室、観葉植物が茂っていて泉が流れている。BGM、トルーパーの煩悩京の場面(「ベターマン」のOP風のもの)で流れていたような電子音楽。マクギリスがローブ姿であぐらを組み瞑想している。

CDの穏やかな女性の声「・・・・・では、より大きなものをイメージしてみてください・・・・あなたの中の声、あるべき未来の姿・・・・できましたか?では、トレーニングです・・・・あなたの中にインナーコスモスを思い浮かべてみてください・・・・。」

マクギリス少し微笑んで(目は閉じたまま)「・・・・心頭滅却は言葉どおりにはいかないな・・・。」

フィ、フィ、とその時ブザー音。硬質な女性オペレーターの声で 「マクギリス様、今外電が入ってまいりました。サンマルマルに臨時集合です。」

マクギリス「ん、そうか。メディテーションタイムはもう少しほしいところだが・・・・。」 立ち上がり、「まだ少し時間はあるか。」と言い、ローブ姿から着物姿(呂の着物)に着替えてはおる。 はおりながら、決め台詞。

マクギリス「まあ、禅だな。」

場面転換、同じ母屋の一室、和室。マカナイ老人が座って茶をたてている。

マクギリス「ご老人、地球では茶道はまだあるのでしょうか。」

マカナイ「あります。ただ、このように室礼までそろえた場所はもうわずかばかりです。火星のこのような作法はわが方にもうれしい限り。ご厄介になっていて、心苦しいことばかりです。」

マクギリス「そうなのですか。地球の文化には幼いころから憧れてきました。しかし地球は遠いのでなかなか行く機会もありません。」

マカナイ「そうでしょうな。私ももう10年以上彼の地を踏んでおりません。」

マクギリス「望郷の念は深いものでしょうな。」

マカナイ「いやいや。今の地球を見ていたら、そのようなこと・・・山の奥分け入って分け入っての心境にございます。」

マクギリス「それは面妖な。」

その時、廊下に下女が座り 下女「失礼します。ガエリオ様が面会に見えておいでです。」

マクギリス「まだ時間は早いが・・・・老人、失礼する。」立ち上がり、礼をする。 マカナイ無言で座ったまま礼。 ガエリオ、館の前に止まっている車で待っている。

マクギリス(ふつうの服に着替えている)乗り込みながら「また指令を怒らせたのか?」

ガエリオ「まあな。厄介な物を見つけたらしい。旧世紀の遺物だよ。」

マクギリス「ふん。戦局には影響しないのだろう?後始末を頼むというだけの話か。」

ガエリオ「そういうこと。ただ少しやるようではあるらしい。」

マクギリス「 秘密裡に事を運ぶというのは、やはりあの女がかかわっているのか。」

ガエリオ「そうだ。家族の不始末だからさ。俺たちみたいな士官学校卒が呼ばれるんだよ。」

マクギリス「なるほど。」 車、基地に向かって入っていく。

場面転換。会議室。作戦ルームで火星の全図と各基地の見取り図が並ぶ部屋。火星軍統合本部のサブオペレーションルーム。 マクギリスとガエリオが入って来る。カルタ、イオク、アイン、ジュリエッタなどが座っている。このときの司令はクランクにする。

カルタ「遅いぞ。」

ガエリオ「すみません。」マクギリスは無言で着席。

クランク「我々の部隊の担当は本部東方方面であり市街課区域については関与していない。しかしラスタル総司令からの連絡で、市街のB区域に兵を下すことになった。そのことについては、昨夜B区域において戦闘行為が行われた模様を写した、手元のブリーフィングのフィルムにあるとおりである。」

カルタ「質問があります。」

クランク「なんだ。」

カルタ「なぜ担当は市民部隊の警察部隊ではないのですか?われわれが出なければいけない意味というのは?」

クランク「その質問の意味は却下する。すでにわが軍の一部の部隊と交戦状態にあったということで、戦闘状態は依然継続中である。」

カルタ「しかし一般市民を・・・・。」

クランク、咳払い。マクギリス発言。

マクギリス「われわれの仕事は一般市民を守ることです。反乱分子がいるのなら、攻撃しても正しいはずです。」

カルタ「それは。」

ガエリオ「全員が出る必要はないと思われます。」

クランク「そうだ。私はマクギリスと君に出撃要請を依頼する。以上だ。」

カルタ(唇をかんで)「・・・・。」

手元のタブレットのフィルムの場面、オルガたちの工場施設の横に倒れた小規模の貨物宇宙船が映っている。朝の映像か現在の映像。タイム表示あり(秒数まで出ているもの。流れ落ちている数字)。 席を立ち出ていくメンバー。カルタだけ立ち尽くす。

場面転換。廊下。ジュリエッタとイオクが歩いている。

ジュリエッタ「あの女またあんなこと言ったなあー。なんでだろ。悩むことなんかないのに。」

イオク「彼女は正義感が強いんだよ。君とは違ってさ。」

ジュリエッタ「私はああいうとき余計なこと言わないだけだよ。」

イオク「まあラステル総司令の名前が出たときから、ああいう話になると思ったなあ。要するにモビルーツの回収作業なんだから、って割り切らないと。」(イオクはマクギリスたちにライバル心があり)

ジュリエッタ「そうだよねー。(ちょっと意地悪に笑って)あいつさ、きっとマクギリスのこと好きなんだよ。さっきマクギリスが発言したとき、部屋の気温が上がったよね。」

イオク「はは。」

ジュリエッタ「ずっと私とあいつだけじゃん、女性陣。勘弁してよって思うわー。」 歩いていく二人。アイキャッチ。 つづく