隷の星

SF作品の二次小説のブログです。

鉄血のオルフェンズ 第一話「宇宙の孤児」1

宇宙の空が映り、上からパンダウンして、工場の広い空間。修理工場、古い。鉄機の工作機械、たぶんベルトコンベアーのついた機械。ミカヅキが修理して寝そべりながら仕事をしている。上向けの姿勢で、少し苦しい感じ。アトラ、ハロと一緒に現れる。

アトラセリフ。 「・・・でね、タウンでさ、そのツアー観光客が言ったのよ。女の子たちだったけど、火星に月ってあるの?ないわよねー、あんなの月じゃないじゃない。隕石よ隕石。醜いわよね、地球の月と比べたら月とすっぽん。まさしくそれね。もうがっかりだわぁ、あんなの見るためにナイトツアーに来たんじゃないわよって。ねぇミカどう思う、火星の月。失礼しちゃう、フォボスダイモス。」

ミカ「そうダイモス

アトラ「火星は赤茶けてて何にもないとかさぁ。いくら田舎だからってあんな言い方ないと思う。ね、聞いてる?」

ミカ(気のない返事)「うん、聞いてる。」

アトラ「地球の人たちってどうして見下しているのかなあ。」

ミカ「仕方ないよ、事実田舎なんだからさ。」

アトラ「あっ、そうだ。ミカあんたこの前夕食でピーマン残したでしょ?だめじゃない。お百姓さんごめんなさいは?」

ミカ「うん・・・ごめんなさい。」

アトラ「なんでも食べないと強い男になれないぞ。あ、オルガに言われた仕事もちゃんとやってる?」

ミカ「やってるよ、うるさいな。」

アトラ「オルガの言うこと聞かなくっちゃだめだよ?ちょっと聞いてる?」

ミカ「つけて。ラジオ。」

アトラ、古いラジオのスイッチを入れる。 「・・・・以上、穀物概況でした。続いて工具箱の時間です。今日はN式コンデンサーのつなぎ方です。講師は○○先生です。えー、みなさんこんにちは。みなさんはもうお気づきのことと思いますが、このコンデンサーですが・・・・。」

アトラ「じゃ、みんなのところに戻るから。夕飯前にはあがってきてよ。」

ミカ「うん。」 ミカ、ふぅ、と額の汗をぬぐって。

ミカ「オルガは整備の仕事がないからいいよな。」 ひとりごちる。

場面変わってオルガたちのいる広い空間。小規模な積み荷おろし作業場。オルガ、監督している。 オルガファイルばさみを手にペンでチェックしている。

オルガ「これで300か。あと何個来るんだ?」

団員A「あと500でーす。」

オルガ「こりゃ徹夜だな。」

団員B「えー、冗談じゃないっすよ。こんなブラックな仕事。俺もうやめたいなあ。」

オルガ「うるせぇ、だまって働け。この仕事は支払いがいいんだ。」

アトラ「オルガー、ミカ生きてたよー。あの工作機械、なんとか動くって。」

オルガ「お、そうか。そいつは助かる。ばかやろう、そっと降ろせ。精密機械なんだ。」

団員A「はーい。」

シノ、上のロフトから階段を下りてきて(ロフトにはミニテレビが置いてある)

シノ(肩に抱き着いて)「オルガー、この仕事やばいんじゃねぇ?」

オルガ(うるさそうに)「何がだよ。」

シノ「今さぁ、変なナオンがテレビで演説ぶっこいていたんだよな。場所、○○だからこっから近くねぇ?独立宣言だって。」

オルガ「今時テロなんざ珍しくないだろ。」

シノ「独立運動だよ、独立運動。あれはつぶされるぞ。」

オルガ「女に何ができるんだよ。」

団員B「シノさん、またいい女見つけたんですか?」

シノ「そうなの。でも胸はこの前見たお天気お姉さんには負けてた。」 団員C「またまたー。」

どっ、と笑い声、オルガ、ケッとした顔で。

オルガ「手を抜いてんじゃねぇぞ。」

団員たち「はーい。」

別の階段を上がっていくオルガ。事務所の部屋がある。ノックを二度ほどして待つが反応がないので、オルガいらだってドアをけ破る。反動でよろけながら入る。部屋にはサングラスの男たちがタバコをふかして数人座っている。

男A「おう。入れ。」 オルガ少し緊張しながら。

オルガ「あの、給金は払ってもらえるんでしょうか。」

男B「なんだぁ?払わねぇと思ってんのか。ちゃんとやれ。」

オルガ「やっていますよ。」

男A「いくつ積み荷は集まった?」

オルガ「今のところ300ぐらいです。」

男A「順調だな。あとから大きな積み荷がひとつ届くが、そいつは絶対に開けるんじゃねぇぞ。」

オルガ「はい。」

オルガ、テーブルに視線。テーブルの上にスポーツ新聞が置いてあり、「令嬢、独立宣言!」の見出し文字がある。クーデリアの演説姿。横眼でちら、と見るオルガ。

男A「あとでゲンナマで支払ってやる。こづかいもやるからな。おい。」あごで指示。

男B「ガキどもを並ばせろ。」小銭の小袋を片手で持ってじゃらじゃら出してくる。

オルガ「・・・はい。」

並んでいるオルガの団員たち。空き缶を持って立っている。ヤクザたちが子供に小銭を渡している。

子供たち「これで靴が買えるかな?」「俺漫画がほしい」とかひそひそ言っている。

男B「てめぇら、おありがとうございます、は?」

子供たち声をそろえて「ありがとうございます!」

男B「ときにオルガさんよ。」

オルガ「はい。」

男B「慈善事業じゃねぇんだから、所帯は整理した方がいいな。てめぇがその気なら、いい口を紹介してやる。」向こうに行く。 オルガ、苦々しい顔つきで下を向いている。

ビスケットオルガをなだめて。 ビスケット「気にするなよオルガ。悪いつもりじゃないよ。」

オルガ「そうだけどよ。」 二人歩き出しながら。

オルガ「早くここの仕事も終わらねぇとな。目をつけだしやがった。」

ビスケット「彼らにもいい働き口があるといいけど。」

オルガ、カッとなってビスケットの胸倉をつかみ「てめぇ、見抜けねぇのかよ!あるわけねぇだろそんなもん。」

ビスケット「僕はさ、一緒にいられないならリスクが少ない方がいいと思うだけだよ。」

オルガかなり切迫した調子で「だめだぞ、そんなこと。あいつらも連れて行くんだよ!」 その時、ブザーが鳴って。

オルガ「空襲警報・・・・?」

ビスケット「なんだろう?」 つづく