隷の星

SF作品の二次小説のブログです。

鉄血 第四話「帰還」 1

朝、航行している海賊船。集合ポイントに近づいている。デッキに出て双眼鏡で見ているラフタ。くるりとデッキで振り返って。
ラフタ「信号弾あり。予定どうりね。」
走って行って、シノたちのいるところに言ってセリフ。
ラフタ「あんたたち。顔見世だからね。出撃準備よ。」
シノ「へ?俺たち出るの?」
ラフタ「そう。数がそろっているところ見せないとだめだから。昨日みたいなことはないからさ。玉撃ちはなしだから。」
団員A「冗談じゃないっすよ。あんなやばいのごめんですよ。」
ユージン「おまえそれ、ほんとに保証できんの?警備程度の仕事しかやらねーぞ。」
ラフタ、ユージンの耳をひっぱって「おまんまの食いあげだって言ってんのよ。ちゃんとやんなさいよ。」
ミカ「僕たち、出ないとだめなんですか。」
ラフタ「仕方ないでしょー。威容行為っての?士気をあげるために整列すんのよ。」
ミカ「なんだか軍隊みたいですね・・・。」
ラフタ「まあね。下請けだから。」
アジー「まああたしたちはゲリラだからね?」
ミカ当惑「あの、聞いていないですよそんなこと・・・・。いつの間に・・・・。」
ラフタ「数だけありゃいいのよ。それでおやっさんの顔も立つし、上役のやつも上機嫌。」
ミカ「僕のガンダムは出なくていいですよね。」
アジー「あああんたのはね。なんかいろいろ事情がありそうだから、格納庫にいていいよ。あのクーデリアって人から話は聞いてる。」
ミカほっとして「よかった・・・・。」
ラフタ「あたしたちもさ、あの機体が本当に役に立つかわかんなくてさ。だってあれでしょ、あれってあんたしか乗れない機体なんでしょ?そんなのってねぇー。」
ミカ「はい・・・・・。」
シノお調子者っぽく「ミカに女の操を立ててる機体なのヨ。」
ユージン「うぉ。」
ミカ「からかわないでください!」
ラフタ「しっかしまあ、これ(ガンダム)狙いで来るやつらもそろそろあきらめてくれるといいけどねぇ。」
と、ガンダムを見る。

場面転換。統合軍作戦本部。ラステル総司令と准将クラス?のおじさんたちが数名。真ん中に3DCGでモビルスーツのプレデモ?のミニチュアモデルの立体映像。後ろの大画面に、試作品の実戦訓練を写すための大画面フレームがあり。説明する技師。
技師A「・・・・このダンスレイブの仕組みは簡単です。まず後ろから弾丸になる鉄杭を装填し、前面に向かって撃つ。威力は火星表面の断面三層部分にまで通貫します。○○級クラスの戦艦なら、ひとたまりもないでしょう。」
一同おおという声。
ラステル、ひじをつき手を組むエヴァのゲンドウポーズで見ている。
准将A「実戦演習の模様を写してくれ。」
火星の荒野での訓練の模様。モビルスーツ(モビルアーマーのような汎用タイプ)が一斉に撃っている。敵戦車のダミーを撃破している。
ラステル「宇宙空間での使用は試してみたのか?」
技師A(汗)「それは、まだ残念ながら・・・・。」
ラステル椅子の背にもたれ「昔トルコでは牛をも殺す、杭打ちの技があったらしい。それでルビコン河をも渡ろうとしたようです。」
准将B「君の話は寓意的だねぇ。何が言いたいのかね。」
ラステル「では、心ならずだが欠点を言おう。この兵器は現行でも運用可能だが、装填時間がかかりすぎるし、直線距離での攻撃にしか使用できない。」
技師A「それは、たいていのビーム砲がそうでありますが・・・。」
ラステル「この兵器に軍の今年度の予算を使うというのですか。」
准将A「そのつもりだが?素晴らしい兵器だよこれは君、ねぇ・・・。」
准将B「ぜひ全軍に配備したいものだよ。」
ラステル「そうですか・・・・。私の立場ではそれ以上のことは言えませんな。」
画面の訓練の様子。メカがダンスレイヴで撃破されている。

場面転換。

鉄血 旅の仲間 3

統合軍本部、上層部の執務室。ラステル総司令が書類を手に、テレビ電話のパソコン画面で話している。(スカイプみたいなもの)

ラステル「・・・・そうか。移送中に奪われてその港に?」

士官A「そこから先は、海賊船に拿捕された模様で消息は不明です。」

ラステル「ビーコンを消したのか。」

士官A「そうでしょう。連中は大半ステルスですからね。船は中規模で○○級です。」

ラステル「船の燃料から考えて、半径○○キロ圏内だと北に逃げるしかないな。それ以外は統合軍の勢力が強い。まあ特に急ぐ必要もあるまい。博士がオルファン(孤児)の研究に必要だから、確保した方がいいというだけの話だ。余裕で追撃させることにする。」 士官A「了解であります。」

モニター、ピン、と消える。 間合いもなくブザー。

ラステル「入り給え。」

クランク「失礼します。」

クランク直立不動風に緊張して入る。敬礼している。

ラステル「報告は聞いているぞ。マクギリスたちが攻撃に失敗したそうだな。」

クランク「は。恐縮であります。」

ラステル少し微笑んで「君が彼らをやや持て余しているのはわかっている。御曹司たちは扱いに困るだろう?うちの家出娘もそんな風だからな。」

クランク(汗)「そんなことはありません。私は公平に任務を割り振っているつもりです。今回彼らが失敗したのはわたくしの責任でした。」

ラステル「では、そのように処理したまえ。追撃任務を命令する。」

クランク「はっ。」

直立不動と敬礼をし直す。

場面転換。サブオペレーションルーム。アイン、イオク、カルタ、ジュリエッタが集められている。

クランク「2名が欠席ということになったが、君たちのうちまた2名を選出する。今回は海上での任務なので、後方を検討する必要はない。」

カルタ、マクギリスらを気にして挙手して「彼らはどうしたのです?」

クランク「負傷したので療養中だ。」

カルタ(嘘だと思いながら)「本部からの支援は要請できないのですか。」

クランク「隠密任務ということになっているので、要請はできない。われわれの手で奪回せよとのことだ。」

ジュリエッタ「○○級戦艦なら、それほどの数の機体は所有していないと思われます。」

クランク「そうだな。今回も2名で任務に当たることにしよう。誰がいいかな。」

イオク「じゃあ、僕とアインではどうでしょうか。」

カルタ「女性を除外しているのですか。」

イオク(苦笑して)「そんなつもりではありませんよ。」

クランク「では、君とカルタで行ってもらうことにする。以上だ。」

一同敬礼して「了解です。」

場面転換。統合軍の飛行戦艦(飛行中)。コクピット内のカルタ。小さなロケットペンダントを見ている。小さな男の子の写真。いとおしそうに眺めるカルタ、しかしすぐに胸元にしまう。(この子供の設定は幼いときのマクギリスやガエリオとは違う設定にする)

イオク「敵機目視にて補足。スクランブルだ。」

カルタ「はい。発進します。」

二機、海上に出る。

イオク「威嚇射撃をする。後方支援を頼む。」

カルタ「待ってください。彼らに機体の譲渡を交渉すべきです。よく話し合ってから・・・・。」

イオク「そんな必要はない。」

ジンネマンの戦艦、横に来た敵機に気づく。威嚇射撃を受ける。ジンネマン落ち着いている。

ジンネマン「もう来やがったか。(マイクを取り)モビルスーツを出せ。いつものコースだ。」

ラフタ「(コクピットから)おやっさん、アジーと出るよ。」

ジンネマン「そうしてくれ。」

ラフタとアジー、イオクたちと交戦。アジーが少しやられる。

イオク「まだまだだ。嫌でも虎の子を出してもらうよ?」

イオク機、前に回り込み戦艦の艦橋を狙う。カルタ愕然。

カルタ「そこまでする必要があるのですか?!難民が乗っている可能性があるというのに!」

戦艦の窓に子供の影。 ジンネマンはイオク機を至近距離からミサイルで撃とうとする。イオクはやりあうつもりで対峙。 カルタ機、寸前でイオク機に体当たり。

イオク(吹っ飛びながら)「海賊に情けをかけるとはっ。これだから女はっ。」

ラフタ「なんなの?仲間割れ?こいつバカじゃないの?」

見ていたミカヅキ、「あの人は悪い人じゃない・・・・だめだ、見ていられない。」とガンダムで出る。 ミカヅキ、イオク機と交戦、イオク機敗退する。

イオク憤然として「無様すぎる。この責任はおまえが取れっ。」

カルタ「・・・・了解した・・・。」

カルタ「内部通信?」

その時チカチカと交信スイッチが反応して通信を入れる。ミカヅキの音声。

ミカ「・・・・・お願いですから、帰ってください。今は僕たちを見逃してください。お願いします。」

カルタ(一瞬きっ、とした顔になるが、少しためらったのち、つらそうにして)「・・・・・今回だけだぞ・・・・。」

スイッチを切り、空を見てつぶやく。

「また命令違反だな・・・・マクギリス、こんな時にあなたはいない・・・・。」

暮れなずむ空の下。二機が故障の煙をたなびかせながら、軍本部に帰っていく。 つづくの文字。エンディング。

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鉄血 旅の仲間 2

場面転換。奥のメカ格納庫。ガンダムも置いてある。他に何機か汎用タイプのモビルスーツ。(工作機械っぽいモビルアーマーか?)
雪之丞と空中歩道を歩いているミカヅキ。他に海賊団の男Aとラフタとアジー、鉄火団(まだ団名はない)の団員が数名。
雪之丞「いろいろあるなここは。俺もなりゆきでついて来たんだが・・・・心配でなあ。」
ミカ「雪之丞さんまでついて来ることはなかったのに・・・・。」
雪之丞「まあそう言うなよ。俺もたまには海外旅行に行きたかったのよ。」
ラフタ(モビルスーツをたたいて)「あんたたちぃ、これに乗りたい?」
団員A「あ、乗りたいでーす。できれば。」
ラフタ「あんたたちには無理だよ。あたしはこれ。いいでしょ、赤の色なんだよ?」(シャアの機体ほど赤くないもの。むしろピンクに近いもの)
ミカ(小声で)「そんな・・・・、スポーツカーじゃない・・・・。」
ラフタ「ああ?なんか言った?」
ミカ「なんでもないです・・・。」
アジー「そこの人。こっちにデモ操縦ブースがあるから動かしてみない?ゲームと似ているからできると思うよ。」(横にゲーセンのボックス席みたいなちょっと古びたブースが置いてある)
シノ(自分の顔を指さし)「俺?」
アジー「そう。あんたならできそう。あたしも最初は面食らったけどね。」
ミカ「あの、ここで働くことになるんですか?」
ラフタ「そうだよ。そう聞いているけどさ?三食まかない付きでしょ。いい話じゃない。どこが不満なの?」
ミカ「・・・・・。」
雪之丞、ミカの肩にぽん、と手を置いてよしよしして「まあいいじゃねぇか。気のいいやつらだよ。どうせ俺んところでも長く置いておくのは難しかったんだ。ここでしばらく厄介になるといいよ。俺は次の波止場で降ろしてもらうよ。」
ミカ「雪之丞さん・・・。」
ラフタ「うん、悪いようにはしないからさ。あんたの戦ってんの望遠レンズで見てたよ。いいセンスしているじゃない?とても初戦とは思えないよ。」
ミカ「戦うことには自信がないんです。」
ラフタ「それであれなの?火事場の馬鹿力だねー。」
アジー(シノのブースを見ているが、振り返って一言)「そうそう。戦ってると脳にアドレナリンが湧くからね。普段とは違う自分になるよね。(シノの方を見て)あ、そこ、もう少しレバーを引いて。」
シノ「こう?」
アジー「そう、いい感じ。」
団員A(手にぷっぷっ、とつばをつけて)「次、俺やらせてください。」
ラフタ(顔をしかめて、でもそんな露骨ではなく)「きったなぁい。」
雪之丞「違う自分になるのも、悪くねぇかもな。でも、死ぬかもしれねぇからなあ・・・・。」
ミカ、なんとも言えない顔で立っているが一言。「オルガの様子を見てきます。」
雪之丞「うん。」

場面転換、船室の一角。子供たちがいる部屋の横の小部屋。「オルガにいちゃーん、遊ぼうよー。」とか走り回っている子供たちの声。粗末なメラミン樹脂テーブルをはさんで、オルガとビスケットが向かい合って帳簿を確認している。
オルガ(子供たちに)「うっせえ、今ちょっと帳面つけてっからな、静かにしろ。えーと、この代金が300、こっちで800?エンゲル係数高いな。収支合いそうか?」
ビスケット「トントンです。」
オルガ「ここの奴らは食事代請求すっかな?もうそうなら割にあわねぇ。まさかメカの運転代の手間賃までピンハネしやがらねぇだろうな?」
ビスケット「オルガ・・・・。あのさ、そろそろ子どもたちを・・・・。」
オルガ「わあってるよ。ここの船長にかけあって、なんとか○○市で降ろすようにすっからよ。あそこはまだ元いたところよりマシだ。ファリド家じゃねぇからな。」
ビスケット「ひょっとして渡りに船だったの?オルガ?」
オルガ「おうよ。あそこでうれしそうな顔してみろよ。つけこまれっだろ?俺たちはそれだけでこの船に今いるんだからよ。」
ビスケット(内心あきれて)「演技派、なんだね・・・。」
オルガニッと笑い「わかる?」
そこへミカヅキがいつの間にか横に立っている。「あの・・・。」
オルガ「おう、ミカ。おまえも座れ。」座るミカヅキ
ミカ「この船を下りる?」
オルガ「当たり前じゃねぇか。あのガンダムとかいうメカ?あいつのためだけにいるんだろ。あんなのほっぽり出しゃいいんだ。いったい何の義理があってこの船にいるんだよ。」
ミカ「クーデリアさんが気の毒だ。あのメカはあの人たちでは動かせないよ。」
オルガ「そんなこと知るか。だいたいあの女はなんだ?なんで金魚の糞みたいにくっついてくるんだよ俺たちに。」
ミカ「ひどい言い方だな。あの人だって、好きでそうしているわけじゃない。」
オルガ「俺はおまえのためを思って言ってるんだよ。あの女の肩を持つのはやめろ。あのジンネマンって船長を怒らせない方がいい。」
ミカ「あの人はいい人じゃない。僕は嫌いだ。」
オルガ「俺とおまえの仲じゃねぇか?機嫌なおせよ。辛抱できねぇのかミカ。」
がたん、と席を蹴って立つミカヅキ。オルガ「おいっ」っと手をとろうとするがミカヅキ行ってしまう。
ビスケット(うつむいて不安そうに宙を見てつぶやく)「あれじゃ戦えないよ・・・。」
アイキャッチ つづく

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鉄血 第三話「旅の仲間」 1

ジャーラーと、BGM。朝の陽光の中、海上を飛行しているジンネマンたちの海賊船。オルガたち、艦橋に集められている。後ろにあふれている子供たち。指をくわえていたり、遊んでいたり。
ジンネマン「北北西に進路を取れ。集合ポイントは北ロクハチハチハチだ。」
海賊団員A「あい。」
名瀬「間に合いますかね?」
ジンネマン「間に合わせる。で、おまえら。(タバコに火)これからどうするよ?ここはもう手下になるしかねえな?」
オルガ「はじめっからそのつもりで・・・。」
ジンネマン(陽気にがははと笑って)「スカウトしてやってんじゃねぇか。おまえらもおまえらの働きが役に立つってことを見せねぇと。苦労してんだろ?みなしご抱えてよ。男やもめか?」
オルガ、ふいと顔をそむけてふてくされる。
クーデリア前に進み出て両手を広げたポーズで「軍の方たちでしょうか?」
名瀬(すました顔で)「違います。手前どもは、海賊にございます。」
ジンネマン「あんたには残念だったな。武装蜂起のデモ隊連中とは、俺たちはわけが違うのよ。」
クーデリア、顔を曇らせる。クーデリア「あの機体をどうするつもりですか?私が聞いているのでは、デモ指導者のアリウム・ギョウジャン氏が必要なものだと聞いています。そこに届ける予定でした。」
ジンネマン「わりぃが、ぶんどったものは返さねぇ。それが海賊の流儀だ。」
クーデリア「そんな。」
ミカヅキ横から出て「あなたたちは、ひどい人たちですね。」
ジンネマン「ひどい?助けてもらってその言いぐさはな。」
ミカ「あなたたちの事情はどうか知りませんが、あの機体はこの人に返すべきです。」
名瀬「まあなぁ。もともとは俺たちのものだったんだし。」
ミカ「そんな話聞いていませんよ。そんなのずるすぎます。」
名瀬「はいはい。」
ジンネマン「さあさあ、向こうに行った行った。ガキどもは運航の邪魔になるから、奥の大部屋にでも移せよ。荷物置き場がいいだろう。」
ミカにらんでいる。「・・・・・・。」
オルガ「仕方ねぇ。行くか、みんな。な、ミカ?」オルガ、ミカヅキの肩に手をやるが、ミカヅキ、払いのけるようにして奥に行く。
ユージン「あーあ、行き当たりばっかりじゃねぇか。ミカが怒るのも無理ねぇよ。」
シノ「まあなあ。板子の下は海っていう今の状況じゃあなあ・・・・。」
オルガ「うっせぇ。」肩をいからせて、ポケットに両手をつっこんで奥に行く。

場面転換。荷物置き場。洗濯物などがつるしてある、生活空間。太った女性Aが子供のおしめをかえている。(アミダとは違う女性)
女性A「さあこれでいいよぉ。あんたたちも大変だねぇ。船長さんは、強引な人だからねぇ。」
クーデリア「助かります。」
アトラ「ごめんなさい、子供のおしめ替えたことないので・・・・。だからオルガってもう。」
女性A「男は自分の夢に生きているからね。女のことはぶんどっても、あとはほったらかし。そんなもんさ。」
クーデリア「はい・・・。」
女性A「あんたたちおなかすいたろう。何か作らないとねぇ。料理はできるかい?」
アトラ「あたしできまーす。クーデリアさんは?」
クーデリア「え・・・・あ・・・・あんまり・・・・・その・・・・。」
アトラ「へー、だめなんだ?」
女性A「あんたそれじゃいけないよ。あんなむさくるしい男が何人もいたら、食べさせないとだめだからね?」
クーデリア「あ・・・・あの、そういう関係じゃ・・・・・。」
女性A「ああそうなのかい?まあ来なさい。じゃ、魚をさばいてみようかねぇ。今じゃ火星にも海があるだろう?地球みたいにさ。変な魚がいっぱいいるんだよ。」
クーデリア「そうなんですか・・・・。」
女性A「あら知らないのかい?」
団員の子供「おばさーん。新しい洗濯ものここに干していい?」かごを二人で置く。山盛りの洗濯物。
女性A「待ちな。干す前によくパンパンしないとだめだよ。紐もかけないと。」立ち上がって手伝いに行く。アトラ、クーデリアに
アトラ「ねぇクーデリアさん、ここにいつまでいられると思う?」
クーデリア「そうですね・・・。私は早く降りたいのだけど。」
アトラ「なんで?もう私たちの仲間でしょ。」
クーデリア「そういうわけにはいかないんです。ごめんなさい。」
アトラ「なんでなんで?一緒にいようよー。せっかく知り合いになったのに。」
クーデリア「私もそうしたいと思っています。アトラさん、助けていただいた御恩は一生忘れません。」
アトラ「そんな、おおげさだよ~。」
その時執事が物陰から呼ぶ。「お嬢様」二人隠れるようにして。
クーデリア「・・・連絡は?」
執事「まだ入っておりません。しかしこちらの現在地はわかっているはずです。」
クーデリア「私たちが下りる場所を指定してくると思うけど。」
執事「たぶんそうですな。それまでここに潜伏するしかありませんな。」
クーデリア「そうね。」

鉄血 旅立ち 3

オルガたち、工場横の倒れた貨物船から残りの積み荷を直接手で運んでいる。流れ作業。

オルガ「てめぇら、早くしろよ。」

団員たち「うーっす。」

団員A「これ勝手に持ってっていいんですか?」

オルガ「こんだけぶっ壊されてんのに、なんにもなしじゃたまらねぇだろ。早く荷揚げしろ。俺はネットでさばく先を探す。」

ユージン「オルガ、ネットだとあぶないんじゃねぇの?直接当たった方が足がつかないぜ。」

オルガ「ばかやろう、ここも長くいられねぇんだよ。時間がねえんだ。」

ユージン、ふーん、とした目で「それはあのガキどものため?男気張るのもほどほどにしとかないと。」

オルガ「うっせぇ。昔は俺たちもああだったろ。」

ユージン「それはそうだけど。損得勘定も考えてないと。」

オルガ「俺が考えてないと思ってんのか?会計は全部俺の仕事じゃねぇか!」

その時、アトラがやってきて。

アトラ「あのぅ、たてこんでいる時に悪いんだけど、市の生活センターの人が来てるよ。雪之丞さんは出られないって。」

オルガ「ああ?」

生活センターの職員、二人ほど工場の戸口に来ている。オルガとアキヒロが対応している。

眼鏡をかけた市職員「ここの責任者は君ですか。」

オルガ上を見ながら「あ、そうでーす。」

市職員手元の書類を見ながら「代表者はナディ・雪之丞・カッサパさんになっているね・・・その人は?」

オルガ「ここの工場の持ち主です。」

市職員「○○区保護生活栄養センターから児童が大量に逃げたという報告があって、ここの施設にいると聞いているんだが・・・それは君がやっているのかね。」

オルガ「・・・・知りません。」

アキヒロ、腕まくりをして指をぽきぽきと鳴らす。

市職員「とにかく児童たちは保護させてもらうよ。君、建物内部に入って確認して。」 中に入ろうとする片方の職員を、アキヒロ、無言でパンチ。市職員の片方もんどりうって倒れる。

市職員「なななな、なにをするんだね、乱暴な。職務妨害で訴えるぞ。」

オルガ「うっせぇーんだよ。あ?ガキどもに変な手術受けさせるつもりだろう。そうはいかねぇぞ。」

市職員「手術?なんのことだね。予防接種ならちゃんと受けさせている。」

オルガ「とぼけんなよてめぇ。」

と、何も知らない市職員の胸倉を上に乗ったオルガがつかんだところで、上空に飛行機。マクギリスたちのモビルスーツの輸送船。夕暮れになっている。「あ」と気づくオルガ。

輸送船内部。モビルスーツ内にマクギリスとガエリオ。他に二機ほど待機中。

ガエリオ地上をちょっと見て、モニターを手でボタン指示でさわりながら「いたって平和な光景だけど、出撃命令が下りてるんだよねぇー。」

マクギリス「それはどうかな。昨日の夜戦では全機が撃墜された。夜にあれだけ戦えるのだから、敵の戦力は一機であってもあなどれない。」

ガエリオ「まあそうだけど?でも一機じゃないか。」

マクギリス、ふん、と鼻で笑う。

女性オペレーターの声「全機降下してください。」

いっせいに降下するモビルーツ部隊。散開するそれを、地上から見あげるミカヅキ

ミカ「あれは?!」

雪之丞「やばいな。あれは統合軍だ。こいつはやらかす気だ。」

ミカ「あれ(ガンダム)があるからっ。(こんなことに)」

あわててガンダムの方に走り寄る。 話していたアトラとクーデリア。ミカヅキの様子に驚く。

クーデリア「ミカヅキくん、そんな腕で戦えるの?」

ミカ「やるしかないでしょ。まさか大事な機体だからって言うんじゃないでしょうね?」

クーデリア「そんなこと。」

ミカ、バン、とハッチを閉める。

執事「お嬢様、援護します。」

クーデリア「早くして。」

ミカと執事の機体、上昇する。交戦開始。マクギリスたちの機体はまだ派手な後半に出てくるような専用機ではない。マクギリス、ガエリオに通信。

マクギリス「敵パイロットに投降するよう通信しろ。」

ガエリオ「はいはい。(マイクスイッチを入れて広域音声)そこのモビルスーツ。テロと認識されたくなければ、機体を捨てて投降しろ。機体はこちらで回収する。早くしろ。」

ミカ、あせる。クーデリアとの昨夜のやりとりが脳裏をかすめる。

(クーデリアセリフ「その機体を私に渡してください」)

震える手でレバーを引きそうになる、その時。地上からオルガと雪之丞がミニミサイルを撃つ。ダダダと三撃。ミカ、あっ、となる。

ガエリオ「(マイク音声のまま)抵抗はやめろ。抵抗するようなら、攻撃する。」

ミカ「オルガ、うかつだぞ・・・なんでっ。」

マクギリスの背後の二機、地上のオルガたちに向かって攻撃しようとする。

ミカ「やめろーっ!!!!」

ミカ必死で攻撃。二機のうち一機を撃墜。

ガエリオちょっと悔しそうに笑って「抵抗したな?!」

マクギリス「予想どおりだな。鹵獲を実行する。」

マクギリスの機体ミカに対して肉迫。ものすごい接近戦。ミカは押される。執事の機体の援護、ミカ助かる。しかしマクギリスの執拗な攻撃。ガエリオがコンビネーションを組もうとして失敗。マクギリスの邪魔になる。マクギリスたちはしかし、それでもガンダムを鹵獲するつもりで手加減して攻撃していた。

マクギリス「なかなかやるようだがっ!」

ガエリオ「マクギリス、片方の腕をやられた。うまく飛行できない。いったん帰投した方がいい。こいつは、本部の部隊で掃討させた方がいい。機体を確保しないといけないのだろう?」

マクギリス「・・・・・命令を遂行できないのは軍律違反になる。では、跡形もなく撃破するまでのことだ。死ねっ。」

ミカ、マクギリスのものすごい一撃をかわす。

その時、彼方から大型輸送船が来る。頭部からミサイルを発射。ミカとマクギリスを引き分ける。 中の男たち。男Aのジンネマンと男Bの名瀬、あと海賊連中が余裕しゃくしゃくでビーム砲を撃ってきている。ジンネマンたちはサングラスははずしている。

ジンネマン「予定より早かったな。」

名瀬「あの様子だとうまく動かせたみたいです。しかし賭け事が好きだね、旦那?」

ジンネマン腕組みをして仁王立ちで「知らねえやつには教えたくないのよ・・・・。それだけの話だ・・・・。」

海賊団員A「船をつけますぜ。ようそろーっ。」

地上にズシン、と着陸する船。マクギリスたち、引く。

マクギリス様子を見て「独立軍の援護部隊か・・・・。仕方がない。帰投する。」

ガエリオ「すまない。」

マクギリス少し微笑して「君はいい働きをした。あれは敵が悪いのだ。」

マクギリス機、ガエリオ機の腕をつかんで飛ぶ。飛んで行く二機。 地上で子供たち、オルガと出て来て船を見ている。

子供たち「わーい、お船お船だ。」「あれに乗るの?」と騒いでいる。

オルガ見上げて「なんでこんなもんが・・・。」

ミカ、かなり消耗した様子で「・・・助かったけど・・・・これ(ガンダム)が呼び寄せたのか?」

夕暮れの港町。沈む夕日。「つづく」のアイキャッチ。エンディング。

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鉄血 旅立ち 2

場面転換。火星、軍事基地。そこから離れた高台の一角。貴族風の館、だが古風なものではなくて、現代風な部分も混在する建物。母屋とはガラスの廊下でつながっている、ミニ植物園のようなクリーンルーム。中の温室、観葉植物が茂っていて泉が流れている。BGM、トルーパーの煩悩京の場面(「ベターマン」のOP風のもの)で流れていたような電子音楽。マクギリスがローブ姿であぐらを組み瞑想している。

CDの穏やかな女性の声「・・・・・では、より大きなものをイメージしてみてください・・・・あなたの中の声、あるべき未来の姿・・・・できましたか?では、トレーニングです・・・・あなたの中にインナーコスモスを思い浮かべてみてください・・・・。」

マクギリス少し微笑んで(目は閉じたまま)「・・・・心頭滅却は言葉どおりにはいかないな・・・。」

フィ、フィ、とその時ブザー音。硬質な女性オペレーターの声で 「マクギリス様、今外電が入ってまいりました。サンマルマルに臨時集合です。」

マクギリス「ん、そうか。メディテーションタイムはもう少しほしいところだが・・・・。」 立ち上がり、「まだ少し時間はあるか。」と言い、ローブ姿から着物姿(呂の着物)に着替えてはおる。 はおりながら、決め台詞。

マクギリス「まあ、禅だな。」

場面転換、同じ母屋の一室、和室。マカナイ老人が座って茶をたてている。

マクギリス「ご老人、地球では茶道はまだあるのでしょうか。」

マカナイ「あります。ただ、このように室礼までそろえた場所はもうわずかばかりです。火星のこのような作法はわが方にもうれしい限り。ご厄介になっていて、心苦しいことばかりです。」

マクギリス「そうなのですか。地球の文化には幼いころから憧れてきました。しかし地球は遠いのでなかなか行く機会もありません。」

マカナイ「そうでしょうな。私ももう10年以上彼の地を踏んでおりません。」

マクギリス「望郷の念は深いものでしょうな。」

マカナイ「いやいや。今の地球を見ていたら、そのようなこと・・・山の奥分け入って分け入っての心境にございます。」

マクギリス「それは面妖な。」

その時、廊下に下女が座り 下女「失礼します。ガエリオ様が面会に見えておいでです。」

マクギリス「まだ時間は早いが・・・・老人、失礼する。」立ち上がり、礼をする。 マカナイ無言で座ったまま礼。 ガエリオ、館の前に止まっている車で待っている。

マクギリス(ふつうの服に着替えている)乗り込みながら「また指令を怒らせたのか?」

ガエリオ「まあな。厄介な物を見つけたらしい。旧世紀の遺物だよ。」

マクギリス「ふん。戦局には影響しないのだろう?後始末を頼むというだけの話か。」

ガエリオ「そういうこと。ただ少しやるようではあるらしい。」

マクギリス「 秘密裡に事を運ぶというのは、やはりあの女がかかわっているのか。」

ガエリオ「そうだ。家族の不始末だからさ。俺たちみたいな士官学校卒が呼ばれるんだよ。」

マクギリス「なるほど。」 車、基地に向かって入っていく。

場面転換。会議室。作戦ルームで火星の全図と各基地の見取り図が並ぶ部屋。火星軍統合本部のサブオペレーションルーム。 マクギリスとガエリオが入って来る。カルタ、イオク、アイン、ジュリエッタなどが座っている。このときの司令はクランクにする。

カルタ「遅いぞ。」

ガエリオ「すみません。」マクギリスは無言で着席。

クランク「我々の部隊の担当は本部東方方面であり市街課区域については関与していない。しかしラスタル総司令からの連絡で、市街のB区域に兵を下すことになった。そのことについては、昨夜B区域において戦闘行為が行われた模様を写した、手元のブリーフィングのフィルムにあるとおりである。」

カルタ「質問があります。」

クランク「なんだ。」

カルタ「なぜ担当は市民部隊の警察部隊ではないのですか?われわれが出なければいけない意味というのは?」

クランク「その質問の意味は却下する。すでにわが軍の一部の部隊と交戦状態にあったということで、戦闘状態は依然継続中である。」

カルタ「しかし一般市民を・・・・。」

クランク、咳払い。マクギリス発言。

マクギリス「われわれの仕事は一般市民を守ることです。反乱分子がいるのなら、攻撃しても正しいはずです。」

カルタ「それは。」

ガエリオ「全員が出る必要はないと思われます。」

クランク「そうだ。私はマクギリスと君に出撃要請を依頼する。以上だ。」

カルタ(唇をかんで)「・・・・。」

手元のタブレットのフィルムの場面、オルガたちの工場施設の横に倒れた小規模の貨物宇宙船が映っている。朝の映像か現在の映像。タイム表示あり(秒数まで出ているもの。流れ落ちている数字)。 席を立ち出ていくメンバー。カルタだけ立ち尽くす。

場面転換。廊下。ジュリエッタとイオクが歩いている。

ジュリエッタ「あの女またあんなこと言ったなあー。なんでだろ。悩むことなんかないのに。」

イオク「彼女は正義感が強いんだよ。君とは違ってさ。」

ジュリエッタ「私はああいうとき余計なこと言わないだけだよ。」

イオク「まあラステル総司令の名前が出たときから、ああいう話になると思ったなあ。要するにモビルーツの回収作業なんだから、って割り切らないと。」(イオクはマクギリスたちにライバル心があり)

ジュリエッタ「そうだよねー。(ちょっと意地悪に笑って)あいつさ、きっとマクギリスのこと好きなんだよ。さっきマクギリスが発言したとき、部屋の気温が上がったよね。」

イオク「はは。」

ジュリエッタ「ずっと私とあいつだけじゃん、女性陣。勘弁してよって思うわー。」 歩いていく二人。アイキャッチ。 つづく

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鉄血 第二話「旅立ち」1

一夜明けた鉄血団のいる工場。まだ団名は決まっていない。昨日の戦闘の残骸。目が覚めるクーデリア。
朝の光、簡易ベッドに寝かされている。
クーデリア「私はいったい・・・」ハッとする。
クーデリア「いけない、行かなければ!あの機体を○○に届けなければ!」
シーツから滑り降りて、服をつけようとする。ガチャ、とドアが開く。
アトラ「起きた?気がついたね。食事、あるよ。あんまりいいものじゃないけど食べて。」
クーデリア「あなた・・・・。」
アトラ、窓のカーテンを開けながら
アトラ「アトラだよ。ここではみんな助け合い。でも、あんなことになったら、私たちここにはもう長くいられないかなあ・・・。少し、迷惑だったかな。」
クーデリア「ごめんなさい。あのっ。私っ。」
アトラ「あのメカ、あなたの?」
クーデリア「そうです。」
アトラ「早く引き上げてね。じゃ、食事あるから。」
クーデリア、少し呆然とした顔。まじな顔になってパイロットスーツを身につける。
場面転換。朝の工場前。鉄くいの上に空き缶が置いてある。
クーデリア出て来て見る。ミカ、オルガ、雪之丞がいる。ミカ、離れたところにある空き缶をピストルで狙っている。様子を座って見ているオルガ。雪之丞は立って腕組み。
ミカ、ピストルで撃つ。数発続けて撃つが当たらない玉が多い。しくじったという顔でミカ、ピストルを下す。
オルガ「昨日の戦闘がこたえたかな。」
雪之丞「ま、リハビリ中だからな。こんなもんさ。あれだけやれただけでもえらい。」
ミカ「まだちょっと震えが来るみたいなんだ。でも、前よりはいい感じだ。」
雪之丞「そいつはよかった。」
クーデリア「あの。」
いっせいに顔を向ける三人。オルガ立ち上がって。
オルガ「あんた、新聞に出ていた人だな。」
クーデリア「え・・・・はい、そうです。」
オルガ「さっさとここを出て行ってくれ。じゃあな。」
右手をあげて向こうに行く。クーデリアびくっ、となるがしょんぼりとした顔になる。ミカ、気にしていないという風に
ミカ「オルガはああだからさ。気にすることないよ。」
クーデリア「ご迷惑をおかけして・・・・申し訳ありませんでした。」
深く礼をするクーデリア。雪之丞笑って
雪之丞「あんたも大変だよな、若いのに。いろいろ事情があるんだろうなあ。ファリド家か。火星の権益を握っている家だ。そこに盾突いて・・・いいことねぇのに・・・・。」
クーデリア「いえ。」
雪之丞「ここにある機材でロールアップはしておいたから、再起動はできるよ。早く積んでどっかに運んだ方がいいな。ローラートラックの手配はできねぇがな。」
クーデリア「ありがとうございます。」
ミカ「でもびっくりしたよ。あんなこと、はじめてだったから。」
クーデリア無言で微笑む。
ミカ「俺の一生であんなのに乗るのは最初で最後だろうな。じゃ。」
オルガとは違うように、挙手の感じで手で敬礼した仕草で向こうに行くミカ。
ミカ、向こうに行く。クーデリア少し心細さに腕を抱く。風が吹き抜ける。その時、執事の老人が向こうから歩いてくる。手に携帯を持っている。
執事「お嬢様、今連絡が入りました。回収には午前0時に来るそうです。」
クーデリア「また夜ね。」
執事「統合軍に狙われます。この機体はもちろんマークされていますが、味方まで巻き込まれてしまいます。」
クーデリア「今はお目こぼしされているってことなのね。仕方ないわね。」
執事「何しろ昨日の動きではたいした戦闘力はないと話している模様を傍受しました。しばらくは安全だと思います。」
クーデリア「そうだといいけど・・・。」
執事「ここは、難民村でしょうかな。いるのは子供たちばかり・・・。」
クーデリア「そのようね。彼らには気の毒なことをしたわ。あとで何とかしてあげたいわね。」
執事「そうですな。」

つづく